青のキセキ
それは、翔が当時付き合っていた女性とラブホテルへ行った時のことだったらしい。
部屋へ入ろうとした時に、隣の部屋から、綾と男が腕を組んで出てきたところと鉢合わせ。
翔曰く、綾は、かなり動揺してたみたいだ。
俺に言わないでくれと懇願されたが、親友として黙ってられないと教えてくれた。
もちろん、すぐに綾に確認した。
綾は翔にばれた時点である程度覚悟してたらしく、正直に白状した。
相手の男とは、ナンパされて知り合った事。そして、何度も関係をもったこと。
相手を愛してるわけではないと。寂しかったのだと。
泣いて謝る綾。
当時、俺は単身赴任中、しかも子どもが出来ずに悩んでいた綾を見捨てることは出来なかった。
しかし、それ以来、俺の綾に対する気持ちが変化した事は否めない。
綾の浮気を知ってから、綾を抱く気が失せた。
とはいえ、子どもを欲しがる綾を無碍には出来ず、夫婦生活が全く無いわけではない。