青のキセキ
ある日。

外回りを終えて、会社に戻り、企画部のドアを開けた途端、美空の真っ青な顔が目に入った。


急いで駆け寄ると、身体を震わせ、呼吸も荒い。


美空は大丈夫だと言うが、念のために医務室へ連れて行こうとした。




歩こうとしてよろめいた美空を慌てて支えた。

美空の身体はまだ震えていた。苦しそうな息。



どうしたものか。



男を恐れる美空を抱える事は、今以上に苦しみを与える事になる。

かといって、このままにはしておけない。



「我慢しろよ」


耳元でそう言って、俺は美空を抱き上げた。


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