青のキセキ
『翔』を出て大通りまで歩く間、私も課長も無言のままだった。


大通りでタクシーを捕まえ、この前と同じように後部座席に並んで座る。




車の振動に合わせて、課長の左肩が私の右肩に時々触れる。

その度に少しずつ加速する鼓動。





胸が痛い。心が痛い。


好きになっちゃダメ。




思わず泣きそうになった。

涙が溢れそうになる。




課長に悟られないように、窓の外を見る。




無言の2人を乗せて、タクシーは夜の街を走る。







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