青のキセキ



そして、明らかになる綾の嘘。



浮気相手がナンパされた相手だと信じていた。

翔の話を聞くまでは...。



スポーツジムのインストラクター?


それも、近所のジムじゃなく、わざわざこっちの方まで出てきてたってことか。



何だ、それ。全然話がちがうだろうが。




俺が綾とやり直すことを決めたせいで、翔は俺にそのことを言えなかったのか。
綾のことはともかく、俺のことを心配してくれた翔には申し訳ないことをした。


翔に聞かれた、綾とそのインストラクターが続いている可能性。



単身赴任から戻ってからは、ずっと週末婚状態がつづいていたし、翔の結婚式の日に喧嘩してからは、家にもほとんど戻ってない。厳密に言えば、一度しか帰ってない。



こっちに帰ってきてからは、こどもの話ばっかりで。

綾とやり直すことを決めたはずなのに、溝は埋まらないまま。



美空に心奪われてからは、綾の生活に無関心になっていたのが本当のところだ。


確かに、嘘を吐いた綾には腹が立つ。しかし、だから、正直、綾の嘘を知り、言うほどショックを受けていない自分がいた。








翔に正直に答える。

綾が浮気相手と続いているがどうかなんてわからない。







そして、美空の一言。



綾が俺を愛している、と。


だから俺が綾を突き放せないのだと。








美空。お前はどうして....。






プライドの高い女だから表だって口にすることは少ないが、綾が俺を愛してくれていることはわかってるつもりだ。

離婚するにしろ、綾に納得してもらいたいと思ってる。綾を傷付けることに変わりはないが、美空に対して何かをしでかす可能性もあるから、慎重に事を進めたい。


俺が傷付くのは構わない。


でも、美空が必要以上に傷付くことは避けたい。





タイミングを見計らって、綾には正直に話す。




そう決めた。
















< 280 / 724 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop