青のキセキ
手を繋ぎ、ゆっくりと歩く俺達。
周りを歩くサラリーマンや恋人同士、親子連れ。
幸せそうな笑顔を浮かべて歩く彼ら。
まるで悩みなど無いかのように。
この中にも、俺と美空のような関係の者もいるのだろうか...。
歩きながら、美空と繋がった手に意識が集中する。
美空の手が熱く感じられた。酔ってるのか。
そう言えば、かなり飲んでたな...。
ホテルに戻ったら、ゆっくり休むように言う。
ホテルに戻って、エレベーターに乗る。
他人の姿はなく、俺と美空の二人きり。美空が目を閉じて俺の腕に凭れかかる。
大丈夫か?
様子を尋ねると、うっすらと閉じていた目を開き、俺を見つめる。
おい、その目はやめろっつーの。煽ってんのかよ。