青のキセキ







それからはまるで夢のような時間で。



課長の手が。


唇が。


舌が。



私の全身を、優しく、激しく愛撫する。




課長が触れるたびに、電流が走ったようにビクビクと感じる私の身体。



開いた唇から漏れる吐息と甘い声。



堪えきれない衝動。

一際大きな声を上げそうになり、人差し指の第二関節を噛む。




「お前の声、聴かせて」



そう言って、わざとその手を退かす課長。



そして、片手で私の両手の手首を掴み、頭上に押し付けた。



課長と重なる視線。




優しい眼差しで見つめられ、胸が、心が、締め付けられるような感覚を覚えた。




恥ずかしくて、口から心臓が飛び出そう。

課長にもたらされる快楽で、身も心も溶けてしまいそうな私。


真っ直ぐに課長を見ていられなくて、顔を横に背ける。





「感じてるお前の表情が見たい。顔、見せて」



弱い耳元で囁かれ、体が跳ねる。












課長の指や舌の動き一つ一つに過剰に反応する私の身体。




頭の奥がしびれて、何度も意識が飛びそうになる。



でも、それは許されず。



次々と刺激が与えられて現実に引き戻される。



課長が私を呼ぶ声が甘くて。



耳元で何度も囁かれる、愛の言葉。




「美空....愛してる」




胸が締め付けられるように熱い。





体中に響く鼓動。





静かな部屋。



二人の息遣いと私の喘ぎ声、そして淫らな音が響く。











課長と一つに繋がった瞬間、幸せすぎて涙が零れる。





「お前の中、ヤバい。気持ちよすぎ」


息をゆっくりと吐き出しながら、私の首元に顔を埋め、キスをする課長。




そして、私は課長の息遣いを感じながら、めくるめく喜びに身を任せた。









愛する人に愛される幸せ。



直接肌に感じる、課長の温もり。



人と肌を重ねることが、こんなに気持ちのいいものだったなんて。







あの頃とは全然違う。


殴られ、蹴られた後で抱かれていた頃とは...。



あの頃、彼は優しく抱いてくれた。でも、いつも暴力を振るわれる恐怖と裏合わせで、抵抗することもままならず、されるがままだった。


私の気持ちなんてお構いなし。


ただ自分の欲を放つだけだった。







でも、課長は違う。



私を大切にしてくれる。



私の気持ちを大事にしてくれる。



どうすれば私が気持ちよくなれるかを考えてくれているのが分かる。







前の彼の時とは比べ物にならない、幸福感。








身も心も、全てをあなたに........。









































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