青のキセキ

両親を亡くした綾さんは、以前にも増して、赤ちゃんを欲しがるようになった。


それも、自分から課長の元へ来るようになった理由の一つだそう。







もし、綾さんに赤ちゃんが出来たら....?




そう考えるだけで、胸が締め付けられる。



課長も、両親を亡くしたばかりの綾さんを無下にできず、どうしようもないみたいだった。



ただ、ひたすら謝る課長。





綾さんが来ることによって、私たちは金曜日の終業後から土曜日にかけて一緒に過ごすことが多くなった。


ホテルで過ごす甘くて切ない時間。




彼に抱かれながら、綾さんをも同じ様に抱かれるのか...と嫉妬する。











「どうかしたのか...?」

ベッドでシーツに包まったまま横になる私に、シャワーから出てきた課長が聞く。



「......」



「美空...?」



言えない。聞けない。綾さんを抱いてるの?なんて。




「どうした?」


私の様子がおかしいことを気にしている課長。





「...綾のこと?」



課長には何でもお見通しだ。










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