青のキセキ
過ぎゆく日常


課長が週末を綾さんと過ごすようになって、数ヶ月が経った。



土日は会えなくなったけれど、金曜日の夜は仕事が無い限り、一緒に過ごす。


そんな日々が、今では日常になった。



土曜日と日曜日。課長に会えない週末。



やっぱり、不安になる。



あの夜、課長は綾さんを抱いてないと言った。


それから数ヶ月。


今でも綾さんを抱いてないらしいけれど、綾さんも不審に思うはず。


それに、課長を愛している綾さんにとって、愛する人に抱いてもらえない切なさ、辛さは計り知れないものがある。


いつかは、課長が綾さんを抱く日が来る...。



週末が来る度、不安で胸が張り裂けそうになる。





会いたい。課長に会いたい。



会って、課長の温もりを感じたい。あの深茶色の切れ長の瞳で見つめられたい。

あの手で私に触れてほしい。





課長に貰った時計を見ながら、課長を想う。




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