青のキセキ


「海堂さんに連絡は...?」


久香の言葉に、私は静かに首を横に振った。




「実は...ね...昨日」

「久香」


久香が何か言おうとしたのを、翔さんが止めた。



「?」



まさか、昨日私が眠っている間に課長が来たなんて想像すらしない私。



「ごめん。何でもない」


変な久香。










マンションに到着。






部屋に一人。



久香は私を心配して夜まで一緒にいると言ってくれたけれど、昨日に続けて今日も一花ちゃんに寂しい思いをさせるわけにはいかないし、お店のこともあるから二人にはお礼を言って帰ってもらった。



部屋に入って、真っ先にシャワーを浴びに浴室へ行った。



脱衣場で服を脱ぎ、洗面台の鏡に写った自分を見る。




「!」



首筋や鎖骨、胸元に散らばるいくつもの赤紫のアザ。





慌てて浴室へ入り、全身にシャワーを浴び、繰り返し身体を洗う。




肌が赤くなろうが、痛みを伴おうがお構いなしに、何度も何度も繰り返し洗った。




全身をキレイにしたくて。






シャワーを浴びながら涙を流す。




いくら涙を流しても、記憶を洗い流してくれるわけもなく。




その後も、私は何時間もシャワーに打たれていた。






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