青のキセキ



――――――――...




それから1週間が過ぎた。


日が経つ毎に顔の傷は目立たなくなった。化粧すれば、全くと言っていいほどわからなくなった。


表面の傷が治りつつあるのと共に、近くのコンビニやスーパーに買い物に行ったりと、少しずつ以前の生活に戻りつつある。


だけど、それとは反対に心の傷が癒えることはまだ無い。



修一さんに似た人を見かけると、動悸が激しくなる。


テレビなどで女の人が乱暴されるシーンなどをみると、あの日のことを思い出す。



こんな自分がどうしようもなく嫌になる。自分が汚い生き物のように思えて仕方がない。



修一さんによって残された痣は今では跡形も残ってないけれど、彼は大きな爪痕を私の心に残した。



いつになったら忘れられるのか。





そんな日々の中、幸せを感じられる瞬間もあった。


悪阻。


吐き気や眠気、そして身体の怠さ...。

身体は辛いけれど、課長の赤ちゃんがお腹にいるんだと思うと耐えられる。幸せを感じられる。



そして。



課長から毎日送られてくる『愛してる』のメール。


始めのうちは、胸が痛かった。心が痛かった。


だけど、その痛みの奥に嬉しさがあって。今では嬉しさの方が大きくなった。


戻りたい。

課長の元へ戻りたいと、切に願う私がいる。




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