青のキセキ

【大和side】



『翔』に向かいながら、久々に美空に会えると思うと胸が高鳴った。


美空の話が何なのか、いくら考えても分からない。


だが、結局俺は美空を愛していることに変わりはなく、例え別れ話だとしても受け入れるつもりは毛頭なかった。



美空を愛している、ただそれだけ。





店に入ると、カウンターに座っていた彼女が俺の方を見た。


柔らかな微笑みを浮かべた美空を見た瞬間、胸が熱くなるのを感じた。それと同時に美空の顔が元通りに綺麗になっていたことにホッとした。



「待たせたな」


そう言って美空の横に腰を下ろし、美空の頬に手を添えた。


久々に感じる美空の温もり、そして、肌の感触。身体が熱を帯びたように感じ、このまま抱きしめたい衝動に駆られた。




美空が目を閉じ、俺の手に顔を乗せるのをみた翔がイチャつくなと冗談交じりに言った。


やばい...。


美空が愛しすぎて、周りが目に入ってない自分に呆れる。






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