青のキセキ
駅近くのホテルの一室で、窓から夜景を見る。
キラキラと輝く街明かりが、まるで宝石を散らばめたようでとても美しい。
課長のマンションの方向をじっと見つめる。
これが最後なのだと、思いを噛み締めながら...。
日付が変わる頃、私はホテルを出て『翔』へ向かった。
店の前に着くと、ちょうど翔さんが明かりの消えた看板を店の中へ入れるところだった。
「遥菜ちゃん、こんな時間に珍しいね」
そう言って翔さんは私を店の中へ招き入れてくれた。
カウンターに座って店の中を見渡すも、久香の姿が無くて。
「俺の実家に行ってるんだ。母親が一花に会いたがってさ」
困ったよ...と言いながらも翔さんは嬉しそう。
嫁姑の問題もあまりなく、久香と翔さんのお母さんは上手くいっているらしい。
「明日から旅行だろう?」
グラスに入ったグレープフルーツジュースをテーブルの上に置いてくれた翔さんが私の横に腰を下ろした。
「何かあった?」
翔さんの優しい問いかけに、私は思わず泣きそうになった。