青のキセキ
愛するが故【大和side】


飛行機にて。


窓際の席に座り、雲の合間から見える海を見ながら美空のことを想う。



この旅行中、美空はとても楽しそうだった。


佐伯の件、そして綾の妊娠...美空にとって地獄のような苦しみが続いている中、彼女の笑顔を見られたことが、嬉しかった。


旅行中は綾のことを忘れてほしい..と言った美空。



美空を苦しめているのは俺なのだと分かっていた。はっきりと決められない自分。



美空を愛しながらも、俺の子を宿した綾に別れを告げるなんて許される訳がない。



どうすればいいのか。



美空が何を考えているのか全く知らずに、未だ結論を出せずにいた。





そう...何も知らずに......。
















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