青のキセキ


何も知らずに、美空と二人だけの時間を楽しんだ。



美空の手料理を堪能した。



美空を抱いた。




美空の肌の感触を思い出すだけでこんなにも躰が熱くなる。鼓動が加速する。



美空があの男に無理矢理抱かれてから、俺は美空を抱くことを躊躇っていた。

それは、他の男に抱かれたことが気になっていたのではなく、俺が美空に触れることであのことを思い出させるのではないかと不安だったからだ。


だが、昨日の夜は...我慢できなかった。


久しぶりに触れた美空は、やはり柔らかで俺が触れる度に熱を帯び、俺の愛撫に濡れていた。


甘い吐息が俺を煽り、指を噛んで声を堪える仕草が俺を興奮させた。


俺の愛撫に躰を震わせながら喘ぐ美空が可愛くて。


どうして、こんなに愛しいのか。



理由なんてわからない。



ただ、美空が愛しくて。








美空が俺の元へ戻ってきたことを、彼女を抱くことで実感した。












でも...俺は美空の気持ちなんて何一つ分かってなかったんだ...。








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