青のキセキ












――――――――――――...









夜になってから俺は翔の店を訪ねた。






俺に気付いた翔に軽く手を挙げて、カウンターの空席に座ると、久香さんがおしぼりを持ってきてくれた。






「とりあえず、生でいいだろ?」


と聞く翔の手には既に生中があって。



素直にそれを受け取り、喉を潤した。





「旅行、どうだった...?」


「すごく楽しかったよ。土産は宅配で届くはずだ」



「遥菜ちゃんの様子は...?」



「あんなに笑う美空、久々に見た気がする。色々あって、笑うなんてことが無かったからさ。笑顔を見られてホッとした」


「え?そ...っか...」


「これからのことを話し合おうと思ったんだけど、旅行中は綾のことを忘れてほしかったみたいで...帰ってから一緒に考えようって言われたよ」



俺の言葉に少し驚いたように久香さんと顔を見合わせる翔。



何かおかしい。




二人の様子がどこかぎこちない。


それに、旅行が楽しかったと言ったときも二人とも様子が変だった。




「どうした?」



「いや...別に...」



「お前ら、さっきからおかしいぞ。どうかしたのか?」














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