青のキセキ
「ホテルの場所、教えてくれ。俺なら、真柴氏とやらは知らないだろうから、まずは俺が一人で行って様子を見てくるよ」
そう言って、翔は俺に背を向けて行ってしまった。
頼もしい翔の背中。こういうとき、友の存在がありがたい。
どれ程時間が経過したのか。
何度もスマホを確認するが、まだ翔からは連絡はなく、ただただ時間が過ぎてゆく。
美空には会えたのだろうか。
翔が確認したいと言っていたことは何なのか。
再び、美空に会うことは出来るのだろうか。
何も分からず、俺は待つしか出来ない。
深い溜め息一つ。
空を仰げば。
そこには、雲一つない青い空が広がっていた。