青のキセキ
公私共に順調で、綾ともうまくいってたし、自然な流れで結婚した。


結婚後、綾は退職。専業主婦として、俺を支えてくれた。


綾は、すぐに子どもを欲しがったが、なかなか出来ずに夫婦喧嘩が増えた。そんなときに九州支社に転勤の話。



綾は知らない土地に行くのを嫌がり、結局、俺は単身赴任することになった。


やっとこっちに戻れたと思ったら、思いがけずに課長に昇進。

朝は早いわ、帰りは遅くなるわで、会社近くにマンションを借りた。



綾がイライラするのも分かる。

周りは子どもがいる友達がほとんどで、子どものいない綾は肩身の狭い思いをしているらしい。


ただ、こればかりは俺にはどうしようもない。



結婚して6年。単身赴任してたとはいえ、お互いに行き来はしてたから、夫婦生活もそれなりにあった。

が、未だに子どもが出来ない。


散々悩んだ挙句、不妊治療を始めることに決めたものの、俺も仕事が忙しく、なかなか一緒に病院に行けないことに、綾の怒りが爆発。




『仕事と私、どっちが大事なの!』



そんなドラマのような台詞を言われても、仕事しなければ生活が成り立たない。

家のローンに加えて、マンションの家賃、その他の生活費等、仕事してるからこそ、生活できてるというのに。



そんなことでイライラしながら、ラ・ヴェールの入り口を入ったときだった。




美空遥菜と出逢ったのは...。







< 79 / 724 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop