魔王と魔女と男子高生と
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あまりの出来事に
陸琉は目を見開く。

いやいや、納得いかない。
なぜ自分が殴られて
いるんだと思うに
至るまで長い
空白があった。

「ちょっと待て!!
いてぇじゃねぇか!!
何で俺が叩かれてンだ
砂漠を3日もさ迷って、
バカを回収しにきたのに」
「バカ?勇者様に
何て口を聞くのよ!!
あんたとりあえず外に
出な!!私がその
不遜な性根を叩き
治してやるわ!!」

と何故かリビアンと
陸琉が険悪な雰囲気に
なった。

「まぁ、リビアン、
陸琉、落ち着いて。
仲間同士で争っても
仕方ないよ。

僕らの敵は邪悪な
魔物や魔王じゃない?」

根本的な原因のくせに
空砂は涼しい顔で
ふたりを諌めた。

「それに、陸琉は
僕をバカと言ってるけど、模試の成績も学年順位も
僕のが上だからね」

と……どうやら
馬鹿と言われたことには
ムカついたのかどさくさ
紛れに見下してきた。

この場面の陸琉が
この後、空砂に
飛びかからなかった
自制心は実に
素晴らしいと称賛したい。
「……もういい」

このやりとりを
傍観者として眺めていた
クジャクは静かに、

「先が思いやられるのう
……」

と一言呟いた。

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