【短編】『夢幻華番外編』恋人の時間(とき)
雅の言葉が胸にグッサリと刺さって痛かった。

確かに暁はモテル。たくさんのお姉様方から言い寄られているのをあたしは小さい頃から見てきたから知っている。

そんな綺麗な人たちを蹴散らしても、暁はあたしを選んでくれた。

それなのに、あたしがあんまり子どもっぽかったら暁の心だって揺らいでしまうのかな。

ううん…そんなこと無いよね?

『杏、本当にクリスマスそれでいいのかよ。』

そう言ったときの暁の複雑な顔を思い出す。

あの時、暁はあたしの子どもっぽさにガッカリしたのかもしれない。

もっと大人にならなくちゃ暁に飽きられちゃうのかな…。

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