HONEYHOLIC(1)政略マリッジ~イケメンたちの家政婦さん!?俺を愛してると言ってみなっ~
髪を乾かさず、パジャマ姿で玄関と車寄せの段差に腰を下ろして、いつ帰るのか分からない結生を待つ。



私たちは神の御前で愛を誓い合ったけど。あの時の言葉には心がなかった。


今もそうだ…



赤の他人で…


結生とって私は家政婦でしかないーーー・・・




秋口の夜はやっぱり冷える。


浴槽で身体の芯までポカポカだったはずなのに、外気の気温が熱を奪っていく。



小刻みに震える身体を両手で抱き締めて、膝を抱え、寒さを凌いだ。



何かの罰ゲームみたいに私はその場に居座り続ける。



メールで送信して、帰ってくるかどうか確かめたらいいのに。



ひたすら、結生を待ち続ける。



16年間生きてきて、萎らしい自分に出会ったのは初めて…


私は魔法にかかってる。










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