ギャップの王子さま
確かにそこには
それらしき男の子の後ろ姿があった。
…で? と、
もう一度 奈々に問いかけると
また、はっ!?って感じの顔
「あの人 1つ上の先輩で
豊元 薫 って言うんだけど
凄く整った顔してるんだよ!」
…だから?と目で 問いかけると
小さくため息を吐いた後
奈々は答えてくれた。
「だ・か・ら!!
この学園で学年、性別問わず、
誰にでも 人気なの!
いわば、
この学園の王子さまなのよ!!」
王子さま?
「すごーい!
王子さまなんだぁ。
じゃあいつか 顔見てみたいなぁ」
だって みんなに好かれるぐらい
整った顔してるんでしょ?
後ろ姿しか見てないわたしが
そう聞くと 奈々は、
「わたしは、 あの人より
ミクのほうが
何倍も可愛いと思ってるからぁー!!」
と、叫んだ。