るぅの涙
ぱお
るぅが泣いた次の日、おばあちゃんの病院に行ったマムは、帰りにパオを連れて帰ってきました。
カゴを開けると、パオは恐る恐る首だけ出して、差し出したるぅの手をクンクンと臭いを嗅いでいました。
るぅは、そっとパオの頭の上に手を乗せて

「パオちゃん淋しくないよ。
るぅが側にいるからね」

と言いました。その言葉に答えたかのように、パオはるぅの手をぺろぺろなめました。そして、ゆっくりとカゴから出てくると、るぅの隣にくっついて座りました。

るぅは淋しそうなパオを見て、優しく両手で包み込む様に抱っこしました。
パオの不安を取り除くかのように、小さな手で何度も何度も撫でました。
するとパオは、安心してるぅの腕の中で目を閉じて眠りました。
るぅは、寒くないように小さな毛布でパオをそっと包み、ストーブの前に寝せ、自分も隣にコロンと寝転がり

「パオちゃんも電車に乗って、知らない所に来たから疲れたもんね。
ちょっとだけ、るぅと一緒にお昼寝しようね」
と言ってパオを抱き寄せ、目を閉じました。

1‐2時間が過ぎた頃、先に起きたパオはるぅの顔を舐めはじめました。パオのペロペロ攻撃で目を覚ましたるぅは、ふとあることを思い出しました。

「あぁ、いけない!
パオにご飯を食べさせる時間だぁ!」

小さな手で缶を開け、マムが茹でてくれたレバーを混ぜて、パオの前にそっと置きました。
パオが食べる姿を、じっとるぅは見ていました。

「パオちゃん、キレイキレイしようね」

食べ終わったパオの口周りを、温かいタオルで拭きました。
パオは拭いてもらいながら、じっとるぅを見ていました。
今度は、パオとお散歩に行くことにしました。
るぅの毎日行く大好きな公園に!
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