るぅの涙
気持ちが痛いの
手を拭いてからパオを抱えて、マムの部屋に行くと
「マム、ただいまぁ!
 パオちゃんとお散歩してきたの」
「おかえり、寒くなかった?
 パオちゃんは楽しかったかなぁ?」
と、マムはるぅのホッぺに指先で触れました
するとひんやりしていたので
「寒かったんだね?
公園はどう?
パオちゃん寒がらなかった?」
「あのね、パオちゃんはるぅのお洋服の中に入れたの。
暖かくしてお散歩したんだよ」
「そうなんだぁ!
るぅがパオちゃんを温めていたんだね?
今度は、マムがるぅを温めようね」
マムはるぅを抱っこして、いつもの様にホッぺをペタンとくっつけて、るぅの手を握り締めました。
 ところが、るぅは何だか悲しくなって、泣き出してしまいました。

「るぅ、どうしたの?」
「パオちゃん、かわいそうなの」
「なんでそう思うの?」
「おばあちゃんが病気だから、きっとパオちゃんは淋しいと思うの」
「るぅは、心配だから泣いちゃうの?」
「うん……。
だって、おばあちゃんもパオちゃんも、淋しいのなんてかわいそう」
「大丈夫だよ、おばあちゃんは今治療しているから……ねっ?
お薬が効いてきたら元気になるよ」
「じゃあ、るぅはおばあちゃんにいつ会えるの?」
「おばあちゃんに会いたい?
るぅもお見舞いに行く?
一人で行ってみる?」
「うん行くよ!
この前マムと行った時に、新幹線の乗り方も覚えたもん」
「今度の土曜日に行く?」
「行く!
おばあちゃん淋しくしてると思うから、るぅが行って楽しくして来る」
「るぅは、おばあちゃんからもスマイルマークをもらって来るの?」
「そうだよ!
淋しくないように、るぅの元気をいっぱい分けて来るんだよ」
そして、どうしたらおばあちゃんをたのしませることが出来るか、笑顔に出来るのかを
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