秘密の時間
その車から表れたのは、いつものスーツ姿とは違うラフな格好の部長だった。
「美優、待った?」
「あっ、いいえ、今来たばかりです…」
なんて、もうかれこれ30分近くここで立っていた。
ドキドキと高ぶる鼓動と、わくわくする気持ち。
1分でも1秒でも早く会いたくて、早めに家を飛び出してきた。
「とにかく、隣に乗って」
部長の車の助手席側に回ると、中からドアを開けてくれる。
「よかった。もし待ってなかったら、本当にどうしようかと思った。
行こうか」
「はい!」
元気よく返事を返すと、部長の手が頭に伸びてきて、よしよしと頭を撫でる。
そんな仕草が嬉しくて、部長をみつめた。
会社以外で見る部長も素敵だな。と思った。
部長に見惚れながら辿り着いた場所は、小さな遊園地だった。
小さな子供連れの多いそこ。
乗り物の数少ない。
「行こうか!」
「はい…」