秘密の時間



「美優、どうかしたか?」



ドライヤーも終わり、そのまま後ろから私を抱きしめ肩先に顎をのせた巧さんさんかじっと私を覗きこんだ。



そのあまりにも近すぎる距離に私は怯みそうになる。



けど、そんな私の行動の先を読んで、抱き締める腕の力が強まる。




「もしかして仕事で、何か悩みでもあるのか?

最近何だか、元気がないように見えるけど……」


「………」



ちょっと違うけど、かなり的を得ている。



私の態度や行動で、私の気持ちを読み取ってしまう巧さんだけど、


もしもこんな私の気持ちを知ったらどうなるんだろ?



やっぱり悲しむかな?


それとも嫌われる?



どちらにしても良い事はない。



けど、このモヤモヤした気持ちは日に日に大きくなってる気がする。



< 249 / 306 >

この作品をシェア

pagetop