秘密の時間
私は彼のそんな姿を暫く眺めていた。
そして、閉じていた目蓋が再び開かれた時、彼は私を見てぼそっと呟いた。
「ここで彼女が亡くなったんだーー」
えっ?彼女って?
私から視線をずらし、遠くを見詰める巧さんはなんだかやっぱりいつもと違い、私はただ寂しくなった。
だから巧さんと目線を合わせない様にゆっくりと俯いた。
そんな私を気遣う巧さん。
その場から立ち上がると、また再び私の手をギュッと握り締めた。
「美優、少し歩かないか?
もう少し行った所に喫茶店があるから、
……そこで少し話そうか」
「………」