秘密の時間



海岸沿いにぽつりと建っているそこは一見喫茶店には到底見えない。



けど、不思議と巧さんに連れられお店の中に足を踏み入れるとそこはちゃんと喫茶店だった。



たくさんのカップが並んだら棚。そしてたくさん飾られている可愛い小物達。



海の近くにあるからか、置いてある小物は海に関した物が多く、それは昔ここの喫茶店のオーナーが漁師を遣っていた時に使っていたものだと巧さんが教えてくれた。



漁師なんて聞くと、荒々しいイメージが先行するが、お店はそんな感じではなく、どちらかといえば南国をイメージしたような感じで、



そして、ここはなぜかゆったりとした時間が流れているような気がしてならなかった。




「オーナー、お久し振りです」



巧さんがそうお店の人に声を掛けると、その人も懐かしいそうに巧さんを見詰める。



そして、「本当に久しぶりだね、大橋くん」なんて声が返って来た。



「奥の席、いいですか?」


「ああいいよ。どこでも好きなとこに座って」



< 261 / 306 >

この作品をシェア

pagetop