秘密の時間

新しい指輪 ~side 大橋





一気に咲季との過去を話し切った俺はチラリ、目の前に座る美優の顔色を伺った。



この場所に連れて来て、こんな話をした俺を美優はどう思う?



かなり酷な事をしたと思うが、でもこれから先、ふたりで歩んでいく道のりにはこれ以上に越えなくてはいけない壁があるかもしれない。



その時、過去の問題を持ち出されて、ぐちゃぐちゃになるのが俺は最も嫌だったから、


今のうちに過去の問題はクリアにしておきたいたと思った。



心のわだかまりも、ついでに払拭したい。



美優がふと物悲しそうな表情をしている姿を俺は知ってるから、尚更そう思うのかもしれない。




美優に取って、咲季の影は俺が思っている以上に大きなものなのかもしれない。



ならその不安を俺が美優から拭いさってあげなければいけないんだと思う。



拭い去る方法はいくらでもある。



けど美優、もしかしたら俺は一番酷なやり方を選んでしまったのかもしれない。



現に目の前の美優は、ここへ来たときよりも寂しいそうで、


なんだかしょんぼりした表情は、俺の知らない女の子の様に見えた。


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