好きなんて、君を想うほど

「しゃべってなくは...ないよ？」


曖昧に笑って返す。
卵焼きをほおばりながら。


「必要最低限しか話してなくない？」

「そんなことないよ」


フォークに刺さったウインナーを口に運ぶ。
相変わらず、私の顔は笑ったまま。


「...シオ、強がりすぎだよ。」


アヤがため息をつきながら私を見る。


強がってるんじゃない。
だけど、ソウちゃんと近づきすぎると、
今にもこの想いが、溢れてしまいそうだから。



「しゃべってるよ、ちゃんと。
だけどね、深くかかわることは、やめにしたんだ」



それは、私がソウちゃんに出来ることの一つでもあった。