シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
これだけの広さのものが…三半規管を狂わせるだけの刺激を与える回転をするとなれば、凄まじい速度か回転数が必要になるだろう。
ということは、更なる転がりを受け取れる"外側"は、この広さの数倍は必要だということ。
それだけの広さのものが、裏世界に至る選択肢の1つとして、果たして現実に存在しうるのかどうか。
………。
確かに、何かが足りない。
俺の回転説は。
………。
実際回っていたのは、
この空間ではないのか?
俺は目を細めて、煌や翠にiPhone教授していた情報屋を呼ぶ。
「お前…喫茶店から俺らを連れる時、
ただあの床にただ乗せたわけではないのか?」
途端…聞こえてくるのは"怪物くん"の口笛。
構わず俺は、続きを口にする。
「それはエレベータのように自動的に移動するものではなく、何らかの"囲い"となり、それが落ちた弾みに回転したのか? この空間そのものではなく」
かーい、かいかい♪
「囲いがなければ…。三半規管を全員がやられた理由にする為には、俺達の個々の身体が回転したということだ。しかし…意識がなかった身体の割には、肉体的な打撃によるダメージはない。三半規管以外は」
かーい、かいかい♪
「お前は…何か力があるのか、情報屋。最低限、俺達全員を守れるだけの"囲い"…結界は作れるんだろう? つまり。その結界で俺達の身体は守られたが、この空間に突入した際の回転と衝撃によって三半規管は狂って…今に至る」
情報屋の口元は、満足気な弧を描いた。
「"回転"を…絞りはりましたな? おおきに」
自分には、力があると…言いたかったのか?
だから緋狭さんに選ばれたと?
そこだけが…気付き足りなかったと?