シンデレラに玻璃の星冠をⅢ



「玲くん、此処はクオンと桜ちゃんに頑張って貰って、奥の間とやらから避難するよ!!? もう少しふんばって!!!」

「師匠、大丈夫かい? あっちには百合絵さんが七瀬救助に行ってるから、合流するよ。安心して良いからね!!?」



どくん。



「小癪な…!!! このネコ…ッッ!!!」

「ニャアアアアン」


どくん。



「裏切るか、警護団長!!!」

「裏切りではありません!! 次期当主をお守りするのが役目故!!」



どくん。


熱い。

熱くて、身体が疼く。



芹霞…。


身体が熱くて…。


「紫茉ちゃん、大丈夫!!?」

「大丈夫…です。だけど…ぼっちゃまが心配…」

「師匠…何でこんなに脂汗掻いているんだ?」

「本当だ。熱はないみたいだけど…」



君が…。

僕に触れてる君が、欲しくて堪らない。


何だよ、この…衝動。



「玲くん…大丈夫? 身体辛いの?」



ダメダ。

君を…愛したくて仕方が無い。



「玲くん…?」



トメロ!!!



抱 き た い。



「玲く……きゃっ、何!!?」

「師匠!!!?」



ヤメロ!!!



力尽くでも、僕のモノにしたい。

可愛い啼き声を聞きたい。



ダレカボクヲ!!!




「僕を叩き殺せ!!!!!」



崩壊寸前の理性。

振り絞って僕は叫んだ。


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