シンデレラに玻璃の星冠をⅢ


「櫂殿」


ずしっ。


突然、俺の肩にずしりとした重みを感じたと思えば。


「我々従者にとって、主は絶対的。翠殿を守る我もワンコ殿に助太刀致す故、此処は手出し無用でいては下さらぬか」


護法童子の声がしたと思えば、煌の頭上からも声がする。


「まだゲージ全回復してないんだろ、ゴボウ!! 全回復しないと胡桃だせないんだから、通常攻撃にしろよ。あまりに待たせたら利息取るからね。櫂、僕も協力するよ。可愛い従弟を守りたいしね」

「おお、レイ殿。かたじけない。この小さな身形では中々に術が使えず迷惑をかけてすまぬ。回復した暁には真っ先に胡桃を。それと…レイ殿は櫂殿の従兄であるということは、櫂殿も偉大なるリス王国の皇族であったか。秘めたるその力の謎、ようやく我は納得致した。成程成程、ワンコ殿もリス王国出身とは…。そのリス王国と協定を結ぶとは、さすが翠殿…」


………。


「ごちゃごちゃごちゃごちゃ…うるせえんだよ!!! 協力する気があるなら、さっさと来いよ、ゴボウ、リス!!!」


「「合点承知の助!!!」」


護法童子は煌の頭の上に飛び移った。


………。


「なあ翠。お前…時代劇とか好きか?」

「何で判るの!!?」


………。

聞いたことはないけれど、玲も時代劇が好きなんだろうか。


バリバリバリ…。


鈍色の上空からは青い…雷と電気。

2体とも奥義の強さまではないけれど、広範囲に渡る鮮やかな稲光は、俺達に襲いかかる瘴気…闇が、それだけ広域に渡っていることを感じさせた。

レイも護法童子も、きちんと考えて術を使っているらしい。

中々頼もしい。


雷と電気と炎の、見事なコラボ。

俺の中の好戦的な血が目覚めてくる。


「な、何…皆…。何なの?」

翠がカタカタ歯を鳴らせて、俺の服の裾を掴んだ。


「護法童子は、お前の式だ。お前の力だぞ?」

「え? え? ゴボウちゃん…え!!?」


レイに引き摺られ、"ゴボウちゃん"で定着したらしい呼称。


「護法童子はお前を慕い、力も強いようだ。いいものを召喚できたな。これからも可愛がり、共に成長していけ」

「……うん。ゴボウちゃん…へへへ」


煌とレイと護法童子の力により、場は圧勝にて終着を迎える…はずだった。

事態が微妙に…変わり始めたんだ。


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