シンデレラに玻璃の星冠をⅢ


それは…私…僕が、芹霞さんの敵に回ろうとしていることに対してか。


ボクガマモリタイノハ、アナタナノニ…。


芹霞さんが玲様に命をかけることに対してか。


ボクヨリ…レイサマガイイノ?



選んだのが、櫂様ではなく――


ドウシテボクジャナイノ?


玲様なのだと、見せつけたことに対してか。


ボクハアナタヲコロシタクナイ!!



ああ――。




どろどろとした心が理性に流れ込んで、僕の心は汚く澱む。

あれ程…色彩を捨てようと生きてきたはずなのに、

僕は…その黒く澱んだその色が嫌で。


輪郭が見えなくなるその心の色が嫌で。



♪か~ごめ、かごめ。



常に傍にいれば。

優しく微笑みかけていれば。

自分という、色を見せれば。


♪か~ごの中の鳥は



――玲くんが好きです。



あの櫂様への愛情を忘れて、好きになってくれるというのなら。

命を賭ける程、大事に思ってくれるというのなら。


♪いついつ出~や~る。



ああ――

僕は、色を持ちたい。



♪うしろの正面、



僕だけにしかない色を。

櫂様と被る事のない…僕だけの色を。



♪だあ~れ。



止められない。

溢れてくる。


この熱い感情はなに?


♪うしろの正面、



この狂おしい程切ない――


♪だあ~れ?


この感情は…!!!




「駄目だっっ!!!」




そして叫んで飛び起きると、そこには…


「は、ははは葉山!!?」


驚いたように尻餅をついた由香さんの姿があった。
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