シンデレラに玻璃の星冠をⅢ
横を過ぎゆく、謎の波形。
それをじっと見ると、何か細かいもので構成されていた。
「!!!?」
それに気づいて、俺は更に仰け反った。
「0と1!!!?」
みっちりと構成されていたのは、2つの数字。
それが絶えず動いて、揺れるように…波形を作っていたんだ。
それはまるで玲が大きな画面でプログラムを作っている時、画面に流れる0と1を見ているのと似た感覚で。
「0と……1? 何でここに…?」
「疑似"電脳世界"だろうな。多分…」
「は? 電脳世界って…玲がよく言う奴か!!? 疑似…」
こんなものが作れるのは、"電脳世界"というものを知っている奴なんだろうか。
それともここは、あくまで櫂にとっても"想像"の域を出ていないと言うことなんだろうか。
実際電脳世界を見知る玲に訊かねば、真相はよく判らねえけれど。
「この場を作り、そして裏世界のシステム…もとい情報網を作った人物は、あそこに居る」
そう櫂が指さしたのは、
俺達と同じように、やはりぽうっと光っている――。
「そうや。ひ~ちゃんや!!!」
「なんでお前よ!!?」
久しぶり登場した、アホハット。
間違いねえ、本物だ。
オレンジワンコ柄の青い半纏に、黒いシルクハットを被った、間抜けな関西弁もどきを使って、どや顔で登場出来る奴は、此の世に1人しかいねえ。
こいつ…大地の力以外に、こんなことまで出来るのか!!?
そこまで機械に強い奴だったのか!!?