戦慄
テレビはCMに入り、僕は彼女を見る。
彼女もテレビのアイドルグループと同じように、凍りついた表情で黙って

テレビを見つめている。
「あれは放送自己でしょ!」
僕は言った。
「。。。だよね、正月早々怖すぎ!」

気を取り直すために、僕はトイレに行った。
用を足しながら先ほどの言葉が頭をよぎる。

発達した文明、滅ぶ、訳がわからないな。
トイレを出て、ドアを閉めようとしたとき、

家がグラッと揺れた。地震かな。

「今揺れたよね?」
「うん、揺れた。地震かな。トイレから出たあとでよかったー」
「フクマ君トイレに閉じ込められるとこだったかもよ?」

他愛のない会話で笑いあったおかげで、テレビの
出来事の恐怖感は水に流れた気がした。
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