カプチーノ·カシス


―――狭いシングルベッドの上で、あたしたちの四肢はだらしなく絡まり合う。


「あ……課長……」

「愛海…それ、そろそろ止めない?」

「それ、って…?」

「…今は課長じゃなくて、名前で呼んで」


動きを止めた彼が、あたしにおねだりのキスを落とす。

……可愛い。

やっぱりあたしはこの人が大好きだ。


「俊樹…もっとして?」

「―――こう?」

「ん……もっと、いっぱい」


彼はそれに応え、あたしの奥まで何度も熱を届ける。

舌の傷はまだ少し痛むけど、気づかない振りをしていられるくらいまで回復していた。

だからどんなに深い口づけにもあたしは甘く酔い、彼の身体に押し潰される喜びだけに浸ることができた。


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