カプチーノ·カシス
そうして彼女の好意から逃げ続けて二週間が経ったある日……
工場の冷凍庫で作業中の美波ちゃんがなかなか開発室に戻ってこないのが気がかりで、僕は時計をちらちらと確認していた。
すると課長もそれに気づいたらしく、時計を見てからこう言った。
「……ちょっと遅すぎるな。様子見て来れるか?ええと……」
課長は視線をぐるっと一周させて、最後に僕を見た。
「石原、よろしく」
「えぇっ!?何で僕が…」
柏木さんも愛海ちゃんも、机の上で何か作業はしているものの決して忙しいわけじゃない。
できれば他の人にお願いしたいのに……
「……指導員はお前だろ」
冷たく言い放つのは、柏木さん。
「美波ちゃんも、あんたに来てほしいと思うけど?」
愛海ちゃんまで変な気を回して僕を困らせる。