違う次元の迷子センター

“ママ”捜索願い

「それで、これからどうするの?」
 じゃあ行こうか、と何の説明もなしに少女の手を取って歩き出したヨシュアを追いかけながら、ふわふわと揺れる生成り色の頭に向かって尋ねる。狭い道幅にも関わらず人の通りが激しいため、並んで横を歩くわけにもいかなくて、ヨシュアのすぐ後ろについて歩く形になった。
「うん、とりあえずもう少し人の少ない所に行こうかなって」
 ちらりとこちらを振り返ったものの、すぐに少女の様子を気遣うようにヨシュアの視線はそちらを向いてしまう。行き交う人にぶつかってしまわないようにエスコートしながら、負担にならないように少女の小さな歩幅(とは言っても、足はないけどね。)に合わせて歩く様子はやけに手馴れて見える。いつもの調子で歩いていた俺は、何度かヨシュアの背中に追突しそうになった。
「ヨシュア、やっぱりどっかに隠し子でもいるんじゃないの……?」
 思わず降り積もる疑念を声に出すと、振り返ったヨシュアは不思議そうに目を丸くする。
「どうして?」
「なんか、子どもの扱い、妙に手馴れてるっていうかさ……」
 胡乱げな視線をやれば、ヨシュアは再び前に向き直りながらくすくすと笑い声を漏らす。
「ふふ、梨恵って疑り深いなあ。僕ってそんなに子ども似合わない?」
「似合わないよ」
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