tender dragon Ⅰ
今まで認めたくなかった。
だって、希龍くんはあたしとは全く違う位置にいて、そんなの叶うはずないんだもん。
手の届かない存在。
だから好きになるのが怖かったの。
「うん、好き…」
「へぇ、そっかそっか!いいじゃん、美波頑張りなよっ。難しい性格してるけど、あたしからもおすすめするよ。」
「え?でも、希龍くんはあたしのことなんて何とも思ってないんだよ?」
キラキラした目であたしを見つめて、普通の女子高生と同じように、こんなに恋バナに食いついてる。
やっぱり芽衣も女の子だなぁ。
「そんなこと気にしなくてもいいの!」
大きな声でそう言って、あたしの両肩をガッシリ掴んだ芽衣。
「直接希龍に聞いたわけでもないんだから、ほんとに何とも思ってないかなんて分かんないじゃん。」