tender dragon Ⅰ

今まで認めたくなかった。

だって、希龍くんはあたしとは全く違う位置にいて、そんなの叶うはずないんだもん。

手の届かない存在。

だから好きになるのが怖かったの。


「うん、好き…」

「へぇ、そっかそっか!いいじゃん、美波頑張りなよっ。難しい性格してるけど、あたしからもおすすめするよ。」

「え?でも、希龍くんはあたしのことなんて何とも思ってないんだよ?」


キラキラした目であたしを見つめて、普通の女子高生と同じように、こんなに恋バナに食いついてる。

やっぱり芽衣も女の子だなぁ。


「そんなこと気にしなくてもいいの!」

大きな声でそう言って、あたしの両肩をガッシリ掴んだ芽衣。


「直接希龍に聞いたわけでもないんだから、ほんとに何とも思ってないかなんて分かんないじゃん。」

< 170 / 428 >

この作品をシェア

pagetop