tender dragon Ⅰ
「ううん、聞いてない…。どんな噂なの?」
「……前までの曖昧な噂とは違うみたい。」
芽衣が言うには
うちの学校の2年生で、黒髪で可愛い女の子。
黒のリュックにローファー履いてて、赤いマフラーにベージュのカーディガンを着てる。
……っていうハッキリした情報。
「何でそんなに…」
「そこまで来ると、限られてくる。美波、全部当てはまっちゃってるでしょ?だから、バレるのも時間の問題だよ。」
「……可愛くないけど…。」
「自分ではそう思ってても、狂羅の人たちは可愛いって思ってるってことだよ。」
その辺には納得いかないけど。
バレるのが時間の問題だってことは、芽衣の言う通りだ。
「外見を変えれば狂羅にはバレないかもしれないけど、美波の友達が怪しむでしょ。だから急に変えるわけにはいかないし…」
「え…あたしどうすればいいの?」