tender dragon Ⅰ
「は、ると…?」
たくさんの管に繋がれた春斗。
身体中が包帯だらけで、あの無邪気に笑う春斗の面影はない。
「…ねぇ、何で…っ?」
ポタポタと落ちる涙。
止まることを知らないかのように流れ続けた。
「何で…!」
どうして、こんなことになったの?
どうして、こんなに傷だらけなの?
「何でこんなに傷だらけなの…!」
近づけない。
ガラスが邪魔をする。
「1人でいるときに、やられたらしい…」
葉太が小さな声で言った。
「あたしを迎えに来るとき…?」
1人でいるときなんて、きっとあたしを迎えに来る途中だったに違いない。
…あたしのせいだ。
春斗がこうなったのは…あたしのせい。
「ごめんね…っ」
「美波のせいじゃないから…っ、違うから…!」
座り込んでしまったあたしを、芽衣がギュッと抱き締める。