サヨナラの前に抱きしめて-泡恋-

感じたことのない感情が、心に広がって甘みを残してく。


ふわふわして、甘い金平糖の味がする空気が髪を撫でた。



「ねぇ、俺も世話していい…?」

「えっ!?あ、うん!」



ゆっくりと梶くんの唇から落ちた言葉を理解するのに一拍の間が開く。


少し、不安気味に聞く声は、どこか大人びているように思える。


私は、いきなりのことに驚きを隠せず、声を大きく出して一つ頷いた。



勢いでうん、とか言っちゃったよ。別に嫌なわけじゃないけど…。

放課後も梶くんに会えるって思ったら、どうしてか口が緩む。変な子。



答えがわからない気持ちは、どんどん大きくなって私の頭には、疑問しか浮かばない。


だけど、胸がきゅっと鳴ってるのはわかる。


梶くんにドキドキしてるのは、知ってた──…
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