【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
隣のベッドか?
横目で確認したけど覗いてる様子はないし。
大丈夫、か。
「冬、夜くぅん?」
そう確認する俺に、何も気付いてない先輩は甘い声を出す。
再び首筋を吸い、ゆっくりと血を頂く。
なんとも言えない味が俺の喉を潤していく。
体中に力が入っていくのがわかる。
先輩の体からカクンッと力が抜けたのを確認すると、ゆっくりとベッドへ寝かせた。
口の端を親指で拭うと、俺は隣のベッドへと目を向ける。
ベッドの下にはキチンと並べられた上靴。
そこには何色使ってんだってくらいに派手な名前が書かれていて。
“ありが にーな”
って。
お前 にな だろうが。
なんて思わず突っ込んでしまった。