【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
変な噂
「あ。ほら、あの子」
「え? どれ?」
「あれだよ、あれ」
「へー、あの子なんだ」
聞こえてきた男子の声に目を向けると、そこに居た2人と目が合った。
え?
なに?
ニヤニヤと笑って、あたしの方を見る2人。
後ろを振り返って見るも、そこにはあたししか居ない。
やっぱり……あたし?
もう一度、その2人を見直すと、もうあたしの事なんて見てなくて。
……気のせい、だ。
そう思って、そこを通り抜けた。