【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「ちょっ……」
そう口を開いたら、入って来た舌。
「ん……んん」
それはあたしの口内をかき回す。
クチュッて唾液の音が耳につく。
「んっ、はっ……ん」
息苦しくて、声が漏れる。
な、なんで!?
やっと思えたことはコレで。
それ以上のことを考える余裕なんてない。
やっと離れた唇に
「はぁ、はぁ」
と短い息を繰り返した。
そんな、あたしなんてお構いなしに椎名冬夜は
「落ち着いたか?」
って、落ち着くか!