【完】愛の血−超勝手な吸血鬼


「ちょっ……」



そう口を開いたら、入って来た舌。



「ん……んん」



それはあたしの口内をかき回す。

クチュッて唾液の音が耳につく。



「んっ、はっ……ん」



息苦しくて、声が漏れる。



な、なんで!?



やっと思えたことはコレで。

それ以上のことを考える余裕なんてない。


やっと離れた唇に



「はぁ、はぁ」



と短い息を繰り返した。


そんな、あたしなんてお構いなしに椎名冬夜は



「落ち着いたか?」



って、落ち着くか!


< 224 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop