【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
「ああ、椎名君。
とりあえず、そこに座っててくれるか?」
「……はい」
見慣れない職員室の、古びたソファに座る俺。
今日から新しい高校に通う。
書類やなんだでバタバタと動き回る教師を横目で見て溜息を吐いた。
新しい家から、前の高校に通うことも出来たけど。
どうしてもこの高校に来なければならない理由があったから。
「さて、そろそろ行こうか」
体育会系の教師が俺を手招きする。
体格がいいのか、ただの脂肪なのか……よくわかんねぇけど横にも縦にもデカイおっさんだなぁ。
教室につくとき、ちょうど聞こえてきたチャイム。
チャイムが鳴り止まないうちに教室へと入っていく教師に、また手招きされた。
中に入る俺を見て、教室内がザワつく。
当たり前か、こんな時期に転入生だからな。
にしても、だるい。
「椎名 冬夜(シイナ トウヤ)君だ。仲良くしろよ」
お決まりのようなセリフを担任に言われて、やっと顔をあげた俺は
「よろしく」
とだけ呟いた。