【完】愛の血−超勝手な吸血鬼
言った瞬間マズッたって思った。
まだ言うなって……言われてたんだっけかな。
でも言っちまったもんは仕方ない。
ただ何の説明もせずに言ってしまったことは、放課後、仁奈が図書室に向かったと聞いて失敗だったと思った。
図書室には、お約束かってなくらいに分厚い百科事典みたいなものを引っ張り出してきている、仁奈の姿があった。
「へぇ~。俺に興味あるわけ?」
声をかけると、勢いよく振り返った仁奈は慌てて立ち上がった。
そばに近寄り、読んでいた本を見ると
「こんな昔話、俺だって読んだことねーわ」
本当にそう思うくらいに聞いた事もない、まるで映画に出てくるような吸血鬼の絵が丁寧に書いてあった。
十字架、ニンニク、太陽の光に弱い?
そんな古典的な(笑)
不死者の蘇り?
俺、死んでねーっつーの。
怪物!?
おいおい、酷い言いようだなぁ。
「お前、こんなの信じてんの?」
有り得ねぇだろ。