蒼空~キミの名前を呼ぶ~
「ソラの…ばかぁー…っ」
あたしは走りだした。
校舎なんて、全然わからないのに
ただただ、走った。
逃げたかったんだ。
あんな現実、受け止めたくなくて――…。
ピタッと屋上に行くらしい階段で止まった。
人のいない場所にいたかった。
泣きたかった。
本当にあれはソラ…?
「ウッ…ヒック……」
ずっと、キミに再会できることを
待ちわびてたあたしはバカなの…?
もう、キミは…
あたしなんか過去だったの――…?