風に恋して
レオがそんな思考に気をとられていると、ヒュッと風が吹いて、レオの膝に小さな紙が落ちた。
セストだ。
『ルミエール王国との条約更新は問題なく終わりました。ですが……ユベール王子が2週間後の交流会への参加をご希望されております。いかがいたしましょう?』
交流会――半年に1回行われる貴族の集まり。いつの時代の王が始めたのだろうか、レオにとっては煩わしい習慣以外の何物でもない。ヴィエントの上流階級の者たちが集う暇つぶしパーティだ。
とはいえ、情報交換の場としても機能するそれは、それぞれの地域を治める貴族たちの様子を知るのにはちょうど良いのも確かである。
本来、ヴィエント王国内での催しではあるが、他国の王族を招待することもあり、大抵はちょうどその時期に会談をこの城で行ったり、今回のように相手の希望があったりした場合だ。
他国の王族が参加したがる理由は大まかに2つ。ヴィエント王国の内情を探りたいという野心と、大国の後ろ盾が欲しいがための側室選び。今回のユベール王子の場合はおそらく後者。
(あまり、いい状況とは言えないな)
ユベール王子は軍事政権を推している節がある。彼の父である現ルミエール王も、争いを起こすことや犠牲を払うことへの躊躇いが薄いようで、国内では紛争が多く、隣国とも揉めることが多い。武力で国を統べようとしているのは明らかだ。
今も、都市部から離れた貧困地域では内紛が起こっていたはず。国民からも不満の声が多くなっているようだ。そんな国内情勢をなんとか治めたいのだろう。要はヴィエントの戦力が欲しいのだ。
更に言えば、ユベール王子は前々から優秀なリアを欲しがっており、事あるごとにヴィエント王家と彼女自身の説得にやってきていた。争いが多ければ、それだけ被害があるということ。1人でも多くの才能あるクラドールが欲しい。
レオとリアが婚約してからはそれもなくなり、諦めたと安心していたというのに。
セストだ。
『ルミエール王国との条約更新は問題なく終わりました。ですが……ユベール王子が2週間後の交流会への参加をご希望されております。いかがいたしましょう?』
交流会――半年に1回行われる貴族の集まり。いつの時代の王が始めたのだろうか、レオにとっては煩わしい習慣以外の何物でもない。ヴィエントの上流階級の者たちが集う暇つぶしパーティだ。
とはいえ、情報交換の場としても機能するそれは、それぞれの地域を治める貴族たちの様子を知るのにはちょうど良いのも確かである。
本来、ヴィエント王国内での催しではあるが、他国の王族を招待することもあり、大抵はちょうどその時期に会談をこの城で行ったり、今回のように相手の希望があったりした場合だ。
他国の王族が参加したがる理由は大まかに2つ。ヴィエント王国の内情を探りたいという野心と、大国の後ろ盾が欲しいがための側室選び。今回のユベール王子の場合はおそらく後者。
(あまり、いい状況とは言えないな)
ユベール王子は軍事政権を推している節がある。彼の父である現ルミエール王も、争いを起こすことや犠牲を払うことへの躊躇いが薄いようで、国内では紛争が多く、隣国とも揉めることが多い。武力で国を統べようとしているのは明らかだ。
今も、都市部から離れた貧困地域では内紛が起こっていたはず。国民からも不満の声が多くなっているようだ。そんな国内情勢をなんとか治めたいのだろう。要はヴィエントの戦力が欲しいのだ。
更に言えば、ユベール王子は前々から優秀なリアを欲しがっており、事あるごとにヴィエント王家と彼女自身の説得にやってきていた。争いが多ければ、それだけ被害があるということ。1人でも多くの才能あるクラドールが欲しい。
レオとリアが婚約してからはそれもなくなり、諦めたと安心していたというのに。