風に恋して
――その日の深夜。

リアは寝苦しさを感じて目を開けた。

(な、に……?)

何かがおかしい。

リアは違和感に部屋を見回すけれど、特に変わったことはない。それならば、リアの体調が悪いということなのか……

その原因を探ろうと目を閉じて意識を集中させる。

(――っ!?)

リアはバッと勢い良くベッドから降りて部屋を出た。その瞬間、リアの頭に激痛が走る。

「うっ――く、はっ」

その場に膝をついて片手を壁につく。

「っ、ぅ……レシストレ……っく、はっ、はぁっ」

抵抗の呪文を唱えると、少しだけ頭痛が引いた。

リアは這いつくばるようにして廊下を進む。ランプに火は灯っているけれど、太陽の光が差し込む昼間とは違って薄暗い。その上、頭に響いてくる声を聴くと不気味な迷宮に迷い込んだかのような錯覚に陥る。

抗わなくてはいけない。自分の中に、入ってくるこの“気”に。

エンツォの……それに。
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